2008年07月15日
真夏には背筋が凍るアロマなお話を・・・第1話

♪通うりゃんせ 通うりゃんせ ここは何所の細通じゃ・・
天神さまの細道じゃ・・・・・・
いきはよいよい 帰りは怖い 怖いながらも
通うりゃんせ 通うりゃんせ・・・♪
明治の代が始まり10数年が過ぎていた・・・
日本で初めての有料の隋道、つまり有料のトンネルが
ここ東海道の難所の一つ宇津ノ谷峠の明治宇津ノ谷隋道である
蔦の細道といわれる峠超えに苦労していた住民と旅人たちは
どんなに開通した時は喜んだのだろうか
赤いレンガ積みと朧に弱く燈るランプの火が揺れている
今日もいつものように岡部村から隋道を通り丸子の集落へ
機織りの修練に向かう一人の少女(なつ)がいた・・・
時に明治29年7月・・・薄曇の蒸し暑い夏の日である
「・・・あら? 今日は銭取りのおじさんは居ないのかしら?」
隋道の両出入り口には小さな小屋があり普段は銭取り人と
呼ばれる通行料徴収係りが居るのだが、この日は珍しく
今日は用事の向き有りにて岡部、丸子側共不在・・
何と無料通行が可能ということが伝令板に書いてあった
「まぁ、今日は良い日だわ]
なつは笑みを浮かべ小屋に一礼してから隋道へ歩き出した
Posted by 暁36の放浪の詩人 at 17:37│Comments(0)
│香水、アロマ、日常